2024.12.12 コーヒーの読み物
ブレンドコーヒーを作る醍醐味~ Cawolie 2024
AM 2:20
外は寒く、駒沢通りは静かだ。店に入り、まず釜に火をつける。
コーヒー焙煎では、オーブンと同じで余熱が何より大切だ。
釜を温める間に、飲むためのコーヒーを淹れようとお湯を沸かす。
思い描いている味を思い浮かべながら、生豆を計量していく。
夜中に焙煎するのには理由がある。
静まり返った焙煎室に響くのは、焙煎機のファンの音と、回る豆のささやきだけ。
その中で集中力は研ぎ澄まされ、焙煎の楽しさが存分に味わえるのだ。
楽しい気持ちで焙煎したコーヒーは、不思議と飲む人の心まで楽しくさせてくれる。
経験を積むと、イメージした味と実際の仕上がりのズレがどんどん小さくなる。
まるで青と黄色を混ぜれば緑になるように、頭の中で組み立てた味がそのまま形になって現れるのだ。
ブレンドというのは、店とお客さんが長い時間をかけて作り上げていくもの。
一日やそこらで完成するものではない。
それに比べて、限定ブレンドは気楽である。味の再現性や年間を通した安定性を求められないから、そのとき一番美味しいものを作ればいい。
そのため、手元にある最高の素材を惜しみなく使える。
ブレンドに使う豆の種類が多すぎるのはよくない。一つひとつの豆の役割が薄れてしまうからだ。それぞれの豆の個性を大切にしながら、全体としての調和を目指す。
それが、ブレンドを作る醍醐味だと思っている。
今年のCawolieの焙煎は、あと1回。12月20日(金)だけになった。