コーヒー豆通販のカフェテナンゴ

2026.02.18 生産者特集

中米出張2026 2日目:3分の朝食 ~ ラ・カンデリージャへ

別格だったマラカツーラ

時差ぼけのせいで夜はあまり眠れなかった。体は疲れているが目は冴えている。

『もう朝まで起きていればいいや』と割り切っていたらいつの間にか眠っていたようで目覚ましが鳴っていた。今回の出張に同行しているカフェ・カホンの平村君も同じような感じで、しっかりと眠れなかったらしい。

 

7時から朝食の時間だが、泊まっている宿は朝食提供が無く「隣の宿で朝食をとる」ことになっていた。

ところが、その“隣の宿”が曲者だった。こちらも暗証番号を打って入館するタイプだが、我々は番号を知らない。呼び鈴を押してもフロントスタッフはまだ出勤しておらず、扉は一向に開かない。しかも今日は7時半に、ラ・カンデリージャのリカルドのパパが迎えに来てくれる予定だ。急がないと朝食の時間が消える。

 

詰んだ——と思った、その瞬間。

ちょうど宿泊客が扉から出てきた。迷う暇はなく、そのタイミングで中へ滑り込み、なんとか朝食にありつけた。

ガジョ・ピント、卵、マドゥーロ。コスタリカの朝の定番セットに、ピーチティーとコーヒーが付く。
「よし、食べるぞ」とフォークを持った途端、リカルドから電話。もう外に着いたらしい。ピントを急いで口に詰め込み、コーヒーで流し込む。そのまま駆けるように外へ出た。

 

私が“隣の宿”から出てきたものだから、リカルドは目を丸くした。
簡単に事情を説明して、とにかく車に乗り込む。

 

 

ラ・カンデリージャへ —— 原点に戻る

リカルドの車でサン・マルコスのラ・カンデリージャへ。首都サンホセからは車だと2~3時間の旅となる。今回はカフェ・カホンの平村くんも同行している。

 

ラ・カンデリージャは、コスタリカの“マイクロミル革命”初期を支えた中心的存在。
そして何より、私が初めて見学したマイクロミルもここだったし、カフェテナンゴを立ち上げて初めて扱ったコスタリカ豆もこのラ・カンデリージャだった。カフェテナンゴ初期を支えた重要なコスタリカコーヒーでもあるのだ。

 

久しぶりに訪れても当時の印象は変わらない。

 

まず見せてもらったのは、チェリーの計量から始まる精製工程の全て。摘み取られたばかりのチェリーをパルピングしてパティオに干すまでだ。今年のカンデリージャは、収穫量が40%ダウンということで、摘み取りがほぼ終わっていた。だから精製設備がガンガン稼働しているわけでもなかったが、我々が来るから精製しているところを見せてくれたのかもしれない。本当にありがたい限りだ。

 

その後はパティオへ移動し、ロットごとの乾燥状態を確認。天日乾燥の匂い、光、風——現場でしかわからない情報が、そこには詰まっている。

 

 

今年採れたての9サンプルをカッピング

数年前に敷地内に新設されたカッピングルームで、今年採れたばかりの9サンプルをカッピング。
どれもクリーンで香味の輪郭がはっきりしている。ここまで揃うと、逆に“何を選ぶか”が難しくなる。

 

  1. 1,ラ・カンデリージャ カツーラFW
    青りんご、チョコレート、クリーミー、心地よいアフターテイスト
  2. 2,コリナス農園 カツアイ レッドハニー
    アプリコット、赤ワイン、ジューシー、コンプレックスアロマ
  3. 3,パルミレラ農園 エアルーム サンキストハニー
    クリーンカップ、ぶどう、ワイルドベリー、フローラル
  4. 4,モンテ・カネ農園 サン・イシドロ ナチュラル
    カシス、ブルーベリー、ジューシー、エレガントアロマ
  5. 5,トリサヒオ農園 カツーラ/カツアイ サンセットハニー
    キャラメル、ダークチョコレート、ドライアフター
  6. 6,センティネラ農園 カツアイ アナエロビコ
    赤リンゴ、ブラックベリー、ドライアフター
  7. 7,ラ・エレンシア農園 カツアイ/ティピカ ハニー
    チェリー、赤ワイン、キャラメル、ウェルバランス
  8. 8,パルミレラ農園 マラカツーラ ハニー
    パッションフルーツ、ピーチ、クリーミー、コンプレックスアロマ
  9. 9,エル・カジェタノ ティピカ/ゲイシャ ナチュラル
    赤ワイン、ストロベリー、アプリコット、ジューシー

 

以上が私の各ロットに対しての簡単なコメント。

 

5番と6番はアフターに難ありだったが、基本的に全部良かった。
特筆すべきは、8番のマラカツーラ。これだけは別格だった。

 

 

大粒品種ならではのパッションフルーツ系の爽やかなフレーバーにハニー精製の甘さが調和している。
“派手”ではなく、エレガント。こういうロットを見つけると本当に嬉しくなる。

 

 

カフェテナンゴ専用パカマラを見に行く

ラ・カンデリージャマイクロミルは、ファミリーの所有する農園で採れたチェリーが全て集積される。

ファミリーといっても親戚まで含むので、実際にどのくらいの数の農園があるのか把握しきれない。ざっと見積もっても20農園はあると思われる。

 

マイクロミルの敷地内で昼食をとってから農園巡りへ。

 

最初はカフェテナンゴ専用のパカマラが植えられているモンテ・カネ農園

2年目のパカマラは元気に育っていた。木を見ているだけで未来のカップが想像できる。味見できる日が来るのが楽しみだ。

 

その後は、コリナス農園カシケ農園を見学して戻った。
カッピングで得た香味の記憶を持ったまま畑を見ると、同じ風景が少し違って見える。コーヒーは、カップと畑が往復して初めて立体的に見えてくるものである。

 

 

サン・マルコスのカフェCafe del Cielo

その後、リカルドと一緒に食事をして宿まで送ってもらった。
それでも一日が終わりきらず、水を買いにサン・マルコス中心部まで歩いて出かける。途中で見つけたカフェにふらっと入り、コーヒーを一杯。“予定にない寄り道”は楽しいものである。注文したカフェ・コン・レーチェは、予想以上に大きくて飲み切るのに苦労した。

鍵のかかった扉から始まった2日目は、原点の場所で、今の最高を飲む一日になった。
そして別格のマラカツーラは、いまだ頭の中にずっと残っている。

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