2026.03.09 コーヒーの読み物
春の美味しいコーヒーの淹れ方 ~ いつもと違う環境で淹れるときのコツ ~
現在、店主かやぬまは中米を出張中。
コーヒー産地を訪れると時々こんな場面に出くわします。
農園主から「せっかくだから、君の淹れ方でコーヒーを淹れてみてよ」と突然お願いされること。
そんなとき、いつもと同じ環境ではありません。
ドリッパーやサーバーは違うし、お湯の温度計もはかりもないことすらあります。
さらに、普段お店で淹れる量と違って「みんなで飲むから多めに淹れて」と言われることも。
そんな状況でも美味しくコーヒーを淹れるために私がいつも意識しているポイントがあります。
今日はそのコツを紹介します。
春は人が集まったり、屋外でコーヒーを楽しむ機会が増えます。いつもと違う環境でコーヒーを淹れるときに覚えておくと便利ですよ。
1、湯温は90℃くらいを目安に
コーヒーを淹れるときの理想的な湯温は、およそ90℃前後です。
ただ、旅先では温度計がないこともよくあります。
そんな時は、『沸騰したお湯を一度サーバーやカップに移してから使う』
これだけで、だいたい90℃くらいになります。
特に、使うコーヒー豆の特徴が分からない場合は、高すぎる温度よりも少し低めの温度の方が安全です。
温度が高すぎると、過抽出(苦味・雑味まで一緒に出る)になりやすくなるからです。
まずは90℃くらいを目安にスタートしてみてください。
2、 豆とお湯の比率は「1:15」
次に大切なのが、コーヒー粉とお湯の量のバランスです。
これには黄金比と呼ばれる基本の対比があります。
豆1g:お湯15g
つまり
20gの豆 → お湯300g
30gの豆 → お湯450g
という計算になります。
この「1:15」という比率は、バランスのよい味になりやすいとても安定した抽出比率です。
計りがある場合は、ぜひこの比率を目安にしてみてください。
計りが無い場合、コーヒーのメジャーカップと使用するコーヒーカップを使ってざっくり計算してしまいましょう。
ほとんどのコーヒーメジャーカップは、すりきり1杯10~12gという設計になっています。そしてほとんどのコーヒーカップは、1杯150ml程度に作られています。
つまりメジャーカップ1杯に対してコーヒーカップ1杯のお湯を用意すれば、だいたいの場合は黄金比となります。
そして最大の問題は、メジャーカップが無い場合。その時はコーヒー豆の数で計ります。
焙煎豆 1粒 は、約0.13〜0.18g ※豆の比重や焙煎度によって差がある
つまり実用的には10g のコーヒーは、約60〜80粒と覚えておけばよいのです。
3、蒸らしは30秒、全部で4回注ぐ
ハンドドリップでは
最初の蒸らしがとても重要です。
まず最初の蒸らしでは、粉の量と同じくらいのお湯を注ぎます。
例えば
20gの粉 → 蒸らしの湯量は、約20g
計りがない場合は、
粉全体がしっかり湿るくらいを目安にしてください。お湯がドリッパーに数滴落ちるくらいでよいのできちんと湿らせてください。
そして30秒ほど蒸らします。
この工程によって、コーヒー粉の中のガスが抜け、成分が抽出がされやすくなり、風味が安定します。
蒸らしの後は、残りのお湯を3回に分けて注ぎます。
つまり
1. 蒸らし
2. 2投目
3. 3投目
4. 4投目
合計4回でお湯をすべて注ぎきるイメージです。
難しく考える必要はありません。ドリッパー内のお湯が無くなりそうになったタイミングで注ぎ足していけば大丈夫です。
4、液体が落ちきったら抽出終了
お湯の量は最初から計量してあるので、ドリッパーの中のお湯が落ちきったら抽出終了です。
5、 濃すぎたときは「差し湯」で調整
計量器機が無い場合、目安でやっているので、最後の濃度調整が必要になることも多いです。
もし飲んでみて、「少し濃いな」と感じた場合は、お湯を少し足して濃度を調整してください。
最初に薄く淹れてしまうと濃くすることはできないので、今回のように目安で淹れる場合は、濃い目を狙って後で希釈する方が安全です。
旅先では条件が毎回違うので、最初から完璧な濃度にするのは意外と難しいもの。
でも、差し湯をすれば味のバランスを整えることができますし、それぞれ飲む人の好みにも合わせることができます。
環境が違っても、美味しいコーヒーは淹れられる
コーヒーはとても繊細な飲み物ですが、工夫すればコーヒーの神様は必ず微笑んでくれます。
中米の農園でも、日本のカフェでもコーヒーの基本は変わりません。
もし旅先やアウトドアでコーヒーを淹れる機会があったら、ぜひこの方法を試してみてください。
いつもとは違う場所で飲む一杯が特別なものになりますよ。



















