2026.05.10 生産者特集
ひらやす農園(沖縄・名護) ― 苦難を越えてたどり着いた、日本産コーヒーの現在地 ―
沖縄・名護から届いた数少ない本物の日本産単一農園コーヒー。
その希少性だけでも特別ですが品評会で入賞する品質を持つロットとなると出会える機会はほとんどありません。
今回、カフェテナンゴで初めて販売が実現したのは、沖縄「ひらやす農園」のコーヒーです。
すべては“森”から始まった
そもそもオーナーの平安さんがこの農園を始めたとき、その場所は畑ですらなく木々が生い茂る“森”のような土地でした。
木を切り、草を刈り、土を耕す。
ゼロどころか、マイナスからのスタート。
「沖縄でコーヒーを作る」——
その挑戦は環境を整えるところから始まりました。
一本のメールから始まった関係
その頃、平安さんから一通のメールが届きました。
沖縄でコーヒー栽培を始めようとしているがどう進めればいいのか分からない——そんな内容でした。
私がエルサルバドルのコーヒー学校で学んだことを頼りに、アドバイスを求めて連絡をくれたのです。
何をどうすればいいのか分からない中で、手探りの状態からアドバイスを求めて送られた一本のメール。
このやり取りが、ひらやす農園とカフェテナンゴの関係の始まりでした。
すべては順風満帆ではなかった
しかし現実は甘くありません。
種を植えてもなかなか発芽しない。
ようやく育ったコーヒーの木が台風で一瞬にして失われる。
また植え直す。
また失う。
それでも、もう一度植える。
沖縄という土地でコーヒーを育てるということは、
自然と真正面から向き合い続けることでした。
その過程で私は単なるアドバイザーではなく、挑戦を見守る伴走者として関わり続けます。
見守り続けてきた農園
私は、平安さんが沖縄でコーヒーを成立させるという挑戦を同じ時間軸で見てきました。
毎年収穫されたコーヒー生豆をカフェテナンゴで焙煎して風味をチェックして、フィードバックをしています。
ここ数年で急激に品質が良くなってきたことを嬉しく思っていた矢先、平安さんがビッグニュースと共に生豆を持ってきてくれました。
だからこそ今回の販売は単なる新商品発売ではありません。
長い試行錯誤がひとつの“答え”にたどり着いた瞬間なのです。
積み重ねの先にある一杯
数々の困難を乗り越えこのロットは沖縄コーヒー品質評価会 2026で3位入賞を果たしました。
それは偶然ではなく、積み重ねてきた努力が評価された結果です。

平安式ナチュラル精製という到達点
品種はムンドノーボ。
ブラジル生まれの力強いポテンシャルを持つ品種です。
そして精製は、農園主・平安さんが試行錯誤の末にたどり着いた
「平安式ナチュラル精製」
収穫したチェリーを冷蔵庫で低温発酵させることで、ナチュラル由来の甘い発酵香を引き出し、雑味を抑え、
クリーンで透明感のある液体に仕上げています。
味わいの特徴
標高の高い中米産コーヒーのような力強さではなく、沖縄らしい穏やかでやわらかな表現。
ジューシーでフルーティな甘さ
柔らかく広がる口当たり
ナチュラル精製由来の甘い余韻
一口ごとに丁寧に作られたことが伝わる味わいです。
この一杯が持つ意味
これは単なる「国産コーヒー」ではありません。
失敗を繰り返しながらも諦めなかった時間、自然と向き合い続けた積み重ね、そして品質として結実した一つの到達点。
そのすべてがこの一杯に詰まっています。
『日本で育ったコーヒーは、どんな味がするのか』
その問いに対して、ひらやす農園のコーヒーは、誠実に答えてくれます。
沖縄の自然の中で育ち、幾度もの困難を乗り越え、丁寧な摘み取りと精製によって磨かれた一杯。
そこにはきっと平安さんのコーヒーへの愛情と困難を乗り越えてきた時間が溶け込んでいます。
カフェテナンゴだからこそ届けられる物語と共にぜひこの希少な一杯を体験してください。



















